悠久の歴史に育まれた
大いなる遺産に魅せられる
南会津地方は江戸時代には御蔵入(幕府の直轄地)であり、「日本の原風景」ともいうべき豊かな自然環境のなかに、先人たちの遺産が点在しています。いずれも煌びやかではないが、人々の息吹が現代に伝わる質朴な魅力にあふれています。
大内宿(下郷町)
会津西街道の宿駅として栄えた大内宿。整然とした屋敷割や本陣、脇本陣など、江戸時代のままの姿を現代に伝えています。1981年には「国の重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。
大桃の舞台(南会津町 伊南)
駒嶽神社の境内にある間口7mを超える大舞台。娯楽の少ない山間の地で繰り広げられた村芝居や農民歌舞伎の舞台として使われたものです。兜を戴いたような茅葺き屋根の外観が見事です。
旭田寺中ノ沢観音堂(下郷町)
御蔵入三十三観音の第十一番札所。三間四面に回廊をもつ南北朝様式を残す本格的和様建築物。安置仏は聖観音立像で秘仏となっています。国の重要文化財指定。
前沢曲家集落(南会津町 舘岩)
人と馬がひとつ屋根の下で暮らした時代の名残を現代に伝えるL字型の間取り。前沢にはそうした曲家が数多く点在しています。集落の中には「曲家資料館」も開設されており、農作業や山仕事の道具を展示し、水車やバッタリ小屋とともに、当時の様子を偲ぶことができます。
河井継之助記念館(只見町)
戊辰戦争の勇敢な戦いぶりで知られる越後長岡藩家老・河井継之助。その偉功を称えるために遺品や文書の数々が展示されています。記念館に隣接して終焉の地や墓もあります。
檜枝岐の舞台(檜枝岐村)
現在の舞台は明治29年に建造され、舞殿とも称します。260年以上にわたり伝承される農民芸能「檜枝岐歌舞伎」を上演する舞台で国の重要有形民俗文化財指定。